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YUMEO

​NAKAYAMA

​artist

彼ら / they

"人間の思い通りにならない素敵さ"

自然や動物と関わっていくと、それに打ちのめされることが多くあった。
人間の道具は日々進化しているはずなのに、
それらはなんの役にも立たなかった。
自然が私たちに与える脅威は厳しく怖かったが、同時に、人間の弱さを知り嬉しかった。
私たちは地球に生きているのだと初めて強く実感できた瞬間だった。
この偉大で逆らえない自然や動物のような、私の
思い通りには動かない、私たちの意思とは無関係な物を作りたかった。

彼ら
2020.2


展示 :    第 68 回 東京藝術大学卒業・修了作品展

展示場所 :  東京藝術大学 グラウンド
素材 :    水、風、アルミ風船、ヘリウムガス、穴、防水シート、板、FRP

サイズ:  W6600 × D6600 × H2600

この作品は水、風、アルミ風船によるインスタレーション作品である。水面上を楕円の風船の群れが泳いでいく。 動力は、水に浮く浮力と風の力のみ。 風が吹くと風船の向きが変わり水面を移動していく。
風に押された方向に、彼らは群れを作る。

鑑賞者も作者でさえもこの作品の動きとタイミングを予測、制御することはできない。

朝も昼も夜も同じ瞬間がなく、思い通りにならないことを楽しみ、環境のうつろいを体感できる作品である。

※動画が再生されない場合はこちら→https://youtu.be/pwx1UY8papo

空の色が変わると共に流れる時間、季節や天候などの自然の影響の変化を受け、作品は完成する。

視覚以外の感覚を使い作品を鑑賞し、風と太陽を感じ、海を眺める感覚に陥る。

ただ何かを眺め、それと一緒の時間を過ごしていることに気がつく。

風船は正確な楕円形ではなく魚をイメージして作り、尻尾がはためくようにデザインした。

土台の円盤は風で押され移動していく風船に引っ張られ、風船と共に水面上を移動していく。

それらの動きにより、人間の感じることができない風の繊細な動きを作品だけが感じて動きとして表現される。

風船は無垢のアルミの銀色ではなく、上下に白いスプレーで塗装してある。

これは魚群の時折キラキラと太陽の光を反射する輝きに似せるためと、

作品の全方位の景色を映り込ませないことで視覚の情報量を制御するためである。

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